インタビュー vol.01:大山崎COFFEE ROASTERS

2015.09.21

文:coff編集部

写真:coff編集部

インタビュー vol.01:大山崎COFFEE ROASTERS

coffのオリジナルインタビュー企画第1弾は、京都府大山崎町にある「大山崎COFFEE ROASTERS」の店主・中村 佳太さん、まゆみさんご夫婦にお話を伺いました。ロースターとしての想い、豆やローストへのこだわり、大山崎のいいところなど。読んだらきっと、大山崎COFFEE ROASTERSに足を運んでみたくなりますよ。

質問:大山崎という土地でロースターを開店してみて

質問:大山崎という土地でロースターを開店してみて

大山崎は“作り手“にやさしい町

佳太さん:わたしたちは大山崎の町並みや自然豊かな環境に惹かれて、3年前(2012年)に東京から移住してきました。特に縁やゆかりがあったわけではなく、初めは知り合いもいませんでした。

実際にこの町に暮らして、お店を始めてみて知ったのは、大山崎にはアーティストや伝統工芸の職人さんなど、様々な分野の「作り手」がたくさん暮らしているということです。おそらく、この町の落ち着きのある雰囲気って、アーティストやクリエイターの方が制作に打ち込むのに向いているんだと思います。

こういった文化的な土壌のある町なので、わたしたちのような"よそ者”がコーヒーロースターを始めても、みなさん面白がってくれました。温かく迎え入れてくれて、町に馴染むのを手助けしてくださいました。

駅から大山崎COFFEE ROASTERSへ続く道中には多くの自然が残っている。綺麗な空気と京都とは思えない別荘地のような風景だ。

駅から10数分歩くと見えてくる、味のあるレトロビル。大山崎COFFEE ROASTERSはこの一室にある。

質問:コーヒー豆を提供する立場になって

コーヒー豆は一粒だって無駄にしたくない

コーヒー豆は一粒だって無駄にしたくない

佳太さん:ロースターを始めて、自分が「コーヒーという飲み物の担い手の一部である」という感覚を強く持つようになりました。コーヒー豆を栽培・収穫する農家さんがいて、それを現地で買い付けるバイヤーさんがいて、その豆を焙煎するわたしたちロースターがいる。それをカフェでバリスタやブリューワーが淹れたり、ご自宅でみなさんが淹れたりして、はじめてコーヒーは完成するんです。

この長い道のりの一部を自分たちが担っていると考えると、その責任は重大だなと。わたしたちにとってのお客さんはコーヒー豆を購入してくださる方々ですが、わたしたちはお客さんだけでなく、農家さんやバイヤーさんに対しても責任を負っているんです。彼らの努力を無駄にするわけにはいかないですからね。

だから、わたしたちはコーヒー豆は一粒だって無駄にしたくないですし、お客さんには、いちばん美味しい状態でコーヒー豆を届けなければいけないと考えています。

質問:営業スタイルへのこだわり

質問:営業スタイルへのこだわり

コーヒー豆はすべて豆のままで

まゆみさん:わたしたちには、お客さんに、もっとも美味しい状態でコーヒー豆を届ける責任があると思っています。だから、わたしたちはコーヒー豆を挽かず、すべて豆のままで販売しています。もっとも美味しいコーヒーは、挽きたてでしか味わえませんから。

佳太さん:コーヒー豆の香りや、手挽きするときに感じる豆の硬さなど、五感を使ってコーヒーを楽しんでもらいたいというのも、豆のまま販売している理由です。

コーヒーは試飲のみ

まゆみさん:コーヒーは試飲のみで、カフェを併設しないスタイルにしているのは、お客さんに自分好みの豆を見つけていただきたいから。コーヒー豆を探しにきたお客さんが、たくさんの種類のコーヒーを飲み比べることで普段は選ばないタイプの豆と出会ったり、新しい味わいを発見したりして楽しんでもらえたら嬉しいです。

質問:空間へのこだわり

コーヒー豆がローストされていく臨場感を

コーヒー豆がローストされていく臨場感を

佳太さん:大山崎COFFEE ROASTERSは、レトロビルの一室にある6畳ほどの小さな店舗です。その小さな空間を楽しむ方法を考えた結果、カウンターではなく一つの大きなテーブルだけを中心に置くことにしました。こうすることで、わたしたちとお客さんの隔たりがなく、お客さん同士の距離も近くなりました。

また、焙煎する様子を間近で見ていただける空間にしたかったので、焙煎機を置いているスペースとお客さんが試飲などをするスペースには仕切りを設けませんでした。コーヒーと一緒に、コーヒー豆がローストされていく臨場感を味わってほしい。そう考えたからです。

手作りの落ち着ける場所

手作りの落ち着ける場所

まゆみさん:壁の色をダークグリーンにしたり、植物を配置したりして、お客さんもわたしたちも落ち着ける空間づくりを心がけました。実は、壁のペンキ塗りもテーブル制作も業者さんの力を借りず、すべての自分たちの手でやったんです。これからも少しずつ手を加えていければと思っています。

質問:豆やローストへのこだわり

質問:豆やローストへのこだわり

季節感を大切にした豆選び

佳太さん:当たり前のことですが、コーヒーの好みは人によって違います。ですから、常に様々なタイプのコーヒー豆を提供できるよう心がけています。豆を選ぶときは、「季節感」を大切にしています。

まゆみさん:人の味覚って、気温や湿度や天候などによって驚くほど変化するんです。だから、時期によって人気の豆も変わってくる。面白いなぁと思いますね。

ローストは少しずつ、じっくりと

まゆみさん:わたしたちは、小さな焙煎機で小ロットずつ焙煎しています。通販では、すべて注文をいただいてから焙煎していますので、鮮度の高いコーヒー豆をお届けできていると思っています。

佳太さん:ローストの方法の特徴を挙げるとすれば、かなり時間をかけてローストすることかもしれません。同じ浅煎りでも、じっくりローストした浅煎りと、短時間でローストした浅煎りでは味も香りも大きく変わります。じっくりローストした方がまろやかな味わいになりやすいと感じています。ただこれは、どちらが正解というわけではなく、ロースターの好みの問題だと思います。様々なロースト方法を試しながら、日々改良していけたらいいですね。

質問:店主として感じること

質問:店主として感じること

コーヒーが人と人をつないでくれる

佳太さん:お客さんと話をしていると、「小さな町における小さなお店の存在価値」のようなものを感じます。大山崎はとても小さな町(面積は京都府の市区町村で最小)で、商店街もなく、店舗の数も多くはありません。こういった土地でお店を始めたら、周辺のみなさんがとても喜んでくれました。そして、自然と人と人のつながりが生まれていきました。

まゆみさん:ご近所さんが店内で話をしているときに遠方からのお客さんがいらっしゃると、自然と会話が続いていくんです。

「大山崎って良いところですね。」

「そうでしょ!あの神社にはこんな歴史があって、あそこからの景色は最高なんですよ。」なんて具合に。

こんなときは、「この町に来て良かった」「この町でロースターをはじめて良かった」と、しみじみ感じますね。

「いらっしゃいませ」ってあまり言わない

まゆみさん:良くいらっしゃるお客さんから、「お店っぽくなくて居心地が良い」と言っていただいたことがあります。たしかに、お客さんがいらしても、わたしたちは「いらっしゃいませ」と言うことはほとんどなく、「こんにちは、どうぞどうぞ中へ」といった感じで挨拶をします。別にそう決めたわけではないのですが、自然とそんな感じになっていますね。こういう雰囲気は、夫婦ふたりだけで、自宅も近所で、わたしたち自身が暮らしの一部としてお店をやっているからかもしれません。

質問:大山崎COFFEE ROASTERSのこれから

コーヒーを楽しみ、地域を楽しみ、暮らしを楽しむ

コーヒーを楽しみ、地域を楽しみ、暮らしを楽しむ

佳太さん:コーヒー豆を丁寧にローストし、丁寧にお客さんに届ける。このシンプルなことを、自分たちのペースでやっていきたいと思っています。そして、コーヒーを楽しみ、地域を楽しみ、暮らしを楽しみながら、自分たちが豊かだと思える生活をしていきたいです。

質問:お二人にとって「コーヒー」とは?

毎日を豊かにしてくれるパートナー

毎日を豊かにしてくれるパートナー

わたしたちは自分たちの理想とするライフスタイルを目指した結果、大山崎とコーヒーロースターにたどり着きました。これからのことは、まだ分かりません。今言えるのは、わたしたちにとってコーヒーは、「毎日の暮らしを豊かにしてくれるパートナー」だということです。

まとめ

大山崎 COFFEE ROASTERS、中村さんの考え・理想が反映された本当に良いお店でした。居心地の良い空間に、美味しいコーヒー豆がある。それだけでも十分に魅力的なお店ですが、何より中村さんご夫婦の人柄が、たくさんのお客さんを惹き付けています。

大山崎 COFFEE ROASTERS
天王山のふもと、京都府大山崎町のレトロビルの一室にあるコーヒーロースター。シングルオリジンのコーヒー豆を小型の焙煎機で小ロットずつ焙煎、最高の鮮度で全国へ届けている。また、京都の町工場の職人と共同開発するコーヒーアイテムブランド「THINK UP WORKS(シンクアップワークス)」をプロデュースし、オリジナルアイテムの制作・販売も行う。

住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎岩崎10-1 大山崎グリーンハイツ201
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